詩人:どるとる | [投票][編集] |
窓の外を 過ぎる景色をぼんやりと
眺めながら 見惚れながら ふと何気なく
こっそり君を思ってみたりする
あふれる人混み 夕暮れの雑踏の中に
気づけば探してる ありふれた優しさを
こんなにも たくさんの人の中にいるのに
寂しさは消えないよ それどころか
一人でいるより寂しいくらいさ
どうしてくれるんだ 涙が止まらない
世界の縮図っていうには些か
大げさだが 落としたハンカチを
誰にも拾われなかった日に泣いた
その涙は なんの涙だろう 名前もないし値札もないし 価値があるのかないのか
踏みつぶされた 靴の踵が泣いている
君の足元に 涙の水たまり 僕には見える
人でなしの顔をした愚か者
人間と呼ぶには あまりにも耐え難い
大丈夫とか? ありがとうとか
聞こえなくなった街には
きっと優しさなんか 流行遅れみたいに
誰も 見向きもしなくなってしまうのか
なんて思うくらい 目に余るような 光景が
美しくあろうとする 人たちの営みを汚す
こんなにも たくさんの人の中にいるのに
寂しさは消えないよ それどころか
一人でいるより寂しいくらいさ
どうしてくれるんだ 涙が止まらない。