開かれたページに翼は持てず 空も飛べない僕らは手にした 竹トンボで弱々しい風を起こすだけ冬がくる前に南へと渡る鳥たちは星の海を横切り 雲の桟橋をあとにするその夜、ありふれた奇跡が 街中に幸せを 降らせた雨も優しくこのほほを 伝い流れ 僕たちは笑ってた時間の泥棒が 朝を盗み去るのを 指をくわえて見ていたよくちばしで太陽を引っ張りあげたら朝は すぐ目の前にあれほど たくさんの鳥たちはもう居ない長い夜も 明けた。
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