詩人:どるとる | [投票][編集] |
枯れゆくその時は君の中に種を残して
いろんなことを教えてから死にたい
必要なことも くだらないことも
思い出という名前で残る重ねた時間が
やがて 何よりも大事なものになるから
瞼を 閉じればそこにある 毎日があなたを覚えている
笑ったり 泣いたりして いろんな顔が浮かぶ
そして もう一度
瞼を開いたときにはもうあなたはいない
描かれた 風景画の中の物語を読みとく
空の続きを 道の向こうを想像しては
世界を広げて 描かれていない世界を
頭が追いかける 足跡をたどるように
流れゆく 時間の果てに 心を旅させる
雨の冷たさまで 愛しい 紛れなく生きている証になる
ただそこにある風景が たくさんのことを教えてくれる
長い夜が明けて 窓に光が差せば思い出す ずっと夢を見ていた
テーブルに丁寧に並べられた
料理の数々を 無心で食べる
定められた時間の中で許された
自由はとても不自由に似通って
瞼を 閉じればそこにある 毎日があなたを覚えている
笑ったり 泣いたりして いろんな顔が浮かぶ
そして もう一度
瞼を開いたときにはもうあなたはいない。