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どるとるの部屋


[7290] ナイトスイミング
詩人:どるとる [投票][編集]


流れる 街の風景をただ 眺めている
窓の向こうに 浮かんでは消える 人影

メトロの闇に 溶けていくため息が
丸まった背中と 相まって 切ないね

そうして僕らは 忘れていくんだ いつも
目を閉じても 開いても見えない光を

宛もなく探しながら今日も 正と誤の境を無意味に泳がされてる

見つめたまま動かない瞳のゆくえは
空ばかり見ている 足元が疎かだ

まぶたの裏で思い描くすべてが
今の君の戸惑うそぶりに重なる

そうして いつの間にかあやふやになる 覚悟を
信じながら 疑いながらもて余したりする

答えなどないのだろう それでも 見えない物差しで正しさを計る

ああ たとえばありふれた概念をくずせたなら
もう少し 楽に 生きていけるのに

そうして僕らは 忘れていくんだ いつも

目を閉じても 開いても見えない光を

宛もなく探しながら今日も 正と誤の境を無意味に泳がされてる。

2016/01/27 (Wed)

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