ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 青の街

どるとるの部屋


[7316] 青の街
詩人:どるとる [投票][編集]


寂しさだけが この街を染めている
泡みたいに 生まれては消える
ただの数秒の中にある 光が見える

銀色のバスが 夜の闇の中を 行く
流れ星のようにライトが 尾を引いて

風が走るこの街で
雨に濡れたほほを
幸せそうにゆるませて
君は笑った 君は笑った

目をつむったままで描く写実的世界
真夜中の画家はその類いまれなる才能で
この街を彩り豊かな色に染める

誰かが 勝手に名付けたすべてに
背を向けて 僕は茨の道に歩き出す

夜風を切って 走る 雨を はじきながら
お腹を空かせてるから
得意料理で もてなして

窓に映るような ささやかな暮らしの場面
涙と笑いのエピソード
あなたが抱いたひそやかな 悲しみも
僕なら 引き受けてみせるから

風が走るこの街で
雨に濡れたほほを
幸せそうにゆるませて
君は笑った 君は笑った

あの日、はじめて離ればなれの
心がふれた気がしたよ。

2016/02/03 (Wed)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -