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どるとるの部屋


[7360] 遠い空
詩人:どるとる [投票][編集]


誰かを愛する 気持ちを総称して恋と呼ぶならば
この思いも また隔てなく恋なんだろう

胸を突き刺すような痛みが 走るのは
そういえば君と目が合ったときなどで

胸の奥に 相容れぬはずの幸せと痛みが同居してるような
そんな気持ちの 僕は恋わずらい

それを恋と 知った時僕は思ったよ
うれしい反面気づきたくなかった だって 届くはずもないから

いくら手を伸ばしても 届かない 君のまっすぐな笑顔
恋をしている それだけで精一杯で

打ち明けることなんか とてもできなかったよ
とうとう言えなかった 「好き」の一言
それはもう過ぎた雨

朝の霞がかったような空に浮かぶ雲に似ている
うすらぼんやりとした気持ちが僕を宙に浮かす

時々言葉をかわすだけの関係
すれ違っても 挨拶するのがせいぜい

君と僕を はかりに乗せて あまりにかけ離れた二人に
ますます君は僕から遠くなり 空の上

青空に 浮かぶ白い雲になりたい
君という空に浮かぶたくさんの雲のひとつになりたい

そして時折 君を見つめていられれば 幸せ
それくらいの恋ではいけないでしょうか
少し 情けなく頼りない恋ですが

そんな恋もしてもいいでしょう
伝わらないのではなく伝えないままの 思いもまた恋です

たとえるならば 遠い空を見上げる人の瞳が見つけた 星のひとつに 見惚れていた時間
僕は そんな幸せな時間を生きていた
だから僕が伝えるべきは好きではなくありがとうです

それを恋と 知った時僕は思ったよ
うれしい反面気づきたくなかった だって 届くはずもないから

いくら手を伸ばしても 届かない 君のまっすぐな笑顔
恋をしている それだけで精一杯で

打ち明けることなんか とてもできなかったよ
とうとう言えなかった 「好き」の一言
それはもう過ぎた雨。

2016/02/13 (Sat)

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