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どるとるの部屋


[7487] その手に握られた物語
詩人:どるとる [投票][編集]


透明な水のように 一切の淀みのない
あたたの瞳を まっすぐに見つめるたび

僕の中にある 汚さだとか負の感情を
より明確にはっきりと気付いてしまう

こんな僕が君を愛していいのかなと
当たり前なことを思ってしまうよ

水と油みたいな僕らは交わることもなく
ただ 別々の手と手をつないで そして

ひとつになったような気になって
愛してると ごまかしているだけだ

すべてをわかりあえないことで
僕らはそれを理由に つないだ手を離して

だけど離れた手をつなぐのは いつも
わかりあえない 心をわかろうとする心

見えない あなたの心を教えてくれるのは
涙や笑顔といった目に見えるもののおかげ

優しくもなれず 厳しくもなれないから
どっちつかずの真ん中でさまよってる

いっそのこと傷つけてしまえるのなら
痛みさえ安らぎに変えることができたら

背中あわせでも見えるものがある
離れたときの寂しさの向こうにある光

会えないことがこんなにも悲しいこと
気づかなかったでしょう 僕も君も

愛をもってしても 心には介入できない
他人の壁を越えるには些か無理がある

離れないように握られた手は
離したのと同じ手だ
離れてたはずの手だ

明日また明日 過ぎてく日々の中
昨日は 傷つけた人が明日には 愛しくて堪らなくなる
この気持ちはなんだろう
どっちも嘘じゃないのに
手のひらを返したように
あなたを思う感情が色ちがい

すべてをわかりあえないことで
僕らはそれを理由に つないだ手を離して

だけど離れた手をつなぐのは いつも
わかりあえない 心をわかろうとする心。

2016/03/16 (Wed)

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