詩人:どるとる | [投票][編集] |
夕日が 空を オレンジ色に染めたら
そろそろ帰り仕度をすますんだ
今夜の献立は何かなあなんて考えながら来たのと同じ距離をまたさかのぼる
電車の窓から落ちる夕日が見えるのは
あとひとつ駅を過ぎたら 降りる頃
君がくれる ただいまが 一番僕の中では
しっくりくるんだよ なぜだろう 不思議だ
そうして誰もが 大切な家族や恋人のもとへ帰ることを
願いながら 祈りながら
小さな鞄さえ 重たく感じるほど
疲れた体を引きずって
ただいまが待つ場所へ 走ってく
なんて へなちょこな足取りなんだろう
落書きだらけの高架下に たどり着いた
読む気もないのに 目に入る
およそ言葉というには汚い字が並ぶ
背中を向けて必死に目をそらした
あんなにきれいな景色がある中で
何故に人はその均衡を乱すのだろう
喧嘩してしばらく口を利かない日もある
それなのに何度でも仲直りするのは なぜだろう 不思議だ
雨の日も 晴れの日も 風が強い日も
あなたを思わない日はないし
あなたに思われない日などごめんさ
喧嘩しても 心配してしまうのは
どうしようもないほどに 好きだから
なんて 言葉にはしないよ 恥ずかしいから
煙草もやめよう
お酒は控えよう 君ともっと仲良くなるために
ちょっと 思わせ振りだけど
単細胞な僕にはそのくらいが いいと思うんだよ
そうして誰もが 大切な家族や恋人のもとへ帰ることを
願いながら 祈りながら
小さな鞄さえ 重たく感じるほど
疲れた体を引きずって
ただいまが待つ場所へ 走ってく
なんて へなちょこな足取りなんだろう
でもそれもふくめて僕らしいって思うのはおかしいかな。