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どるとるの部屋


[7588] 道しるべ
詩人:どるとる [投票][編集]


夜明けの空が 白んで もうじき
目を覚ます君を 先に起きて待ってる

カーテンを静かに開いて 陽射しを浴びて
今日はじめてのおはようをまた
昨日と同じように 繰り返す

ただ過ぎてくだけの毎日の中で思った

気づかずもらってばかりいる愛を僕は返せるかな

もう返しきれないほど積み重なってしまった
君がくれた時間は 僕にとって
得難い 宝物だよ

生まれてはじめて 君が僕を 叱った理由は
僕が簡単に死にたいって言ったから
どんな理由があっても そんなことは言ってはいけない
君が教えてくれたことが
今の僕を生かしている
君を愛するという 生きる理由をくれた
君を 愛するために今日も 生きている

君は僕にとっての道しるべ
見失うことのないようにつなぐ手を かた結び

空に太陽が必要なように僕には君が必要だ
似合わない言葉だ

畑に雨が 降るように僕には悲しみも必要だ

だからそばにいてくだいと 願う日々

屋上の給水塔 錆び付いたように
赤い空を 見上げながら
待ち望んだ 未来は今と繋がるかな

君が くれた 言葉の一つ一つが
水のようにこの体に染み渡り
それは僕の 欠片になってく
突き刺さることもある
でもその痛みが教えてくれる
痛みの中にある 優しさが見えたら
はじめて人を愛することの意味を知る

振り返る道の先に 咲いた花火
丘の上から 見たあの夜に
浴衣姿の 君が 涙でぼやけたのは
きっと幸せ過ぎたんだろう
僕はこの上ない幸せに包まれてる
今はこんな気持ちが せいぜい
いつか伝えられるかなこの気持ちを
ありがとうや愛してるを越えて 君の心を揺らせるかな

そんなことの繰り返しが少しでも愛を返したことになるのかな だったらいいな。

2016/04/03 (Sun)

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