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どるとるの部屋


[7591] 世界に太陽を描く言葉
詩人:どるとる [投票][編集]


太陽が輝く世界に 生まれた僕らは
何時だって探してる生きるその意味を

泣き疲れて 途方に暮れたまま眠って
いくら笑っても足りなかったよ

引かれた線をはみ出せない自分が
いつも 線の内側を泣きながら歩いてる

抱えた痛みと同じ数だけあるはずの
希望にも似た 喜びは束の間の麻酔

悲しみにやられないようにするための
痛み止めのようなその場しのぎの目眩まし

悲しみが 見えなくなったらきっと
僕らは笑う喜びも見えなくなるね

喜びはただ笑うためにあるんだよ
一時悲しみを忘れるための嗜好品

太陽という浮きが昇っては沈む
形もいまいちわからないけれど
丸みを帯びたイメージの輪郭を

指でかたどるようになぞって
そこにあるただの発光体を
希望の象徴のようにあげつらって
今を生きる 理由にしているんだ

それはまるで世界に太陽を描く言葉
魔法は使えなくたって不便はないよ

たとえば宇宙を計算式で表せても
僕はそんな答えなんて知りたくもない

大切なのは見えているものよりも
目には見えない光があたらない部分だ

世界のすべてが解き明かされたって
僕は信じるよそれはただの答えのひとつでしかないって

無数にある中の たったひとつの世界を
見つめている世界では夢なんか見れない

いつでも世界を 輝かせているのは
けっして目には見えないロマンチック

見に行こうか 数百万の太陽が
昇って沈んだそのあとの世界を
計算なんかする必要はないんだよ

言葉にすればきっと簡単だろう
でも敢えて言葉にしない世界を
裸の眼差しで見ていたいんだよ
ぼんやりした曖昧さに味わいがある

いくつの夜と朝を 繰り返しただろう
時計は創世から何周しただろう
そんなことを考えながら
アンモナイトの渦巻きを
ただ 何の企みもなく 見つめている
子供の瞳を 僕は見てる
そこにある僕らがいつか忘れてしまった光。

2016/04/05 (Tue)

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