詩人:どるとる | [投票][編集] |
せーので 歩き出した世界につま先から
着地してそのはずみで鳴ったささやくようなメロディ
愛とか 恋とかわからないまま
いつの間にか大人になった気がするよ
飼い猫はあくびばかりする 机の上の蚊取り線香
悩ましく渦巻いてる
最初から答えのない答え合わせだ
解答欄を埋めるのはどうせ
ありあわせの出来合いみたいな言い訳
少し遠くの目には見えない
線を 一息で飛び越えた今日に
僕は 大人になるより 大切なものを
手にした気がするよ
おかしいかなあ
笑われるかなあ
でもそれは次第に僕の 宝物のひとつになっていたりする
なんだっていいんだ多分 泣いてる君を笑わせることができるなら
それだけで魔法みたいだ
それ以上でもそれ以下でもない思いを
見せたり隠したり 出し惜しみしてる
立て付けのわるいベランダ側の窓
出し抜けの 一言 吹き抜けの廊下
無意味なことにも意味があるのなら
こうしてただ日付を並べ替えるだけの
日々にも いつしか明かりは灯るかな
足元に引いた線をスタートのラインにして
それを飛び越えられたらいいな
まだ見えないものばかりの僕の手のひらに灯る温もりは
いつか君がくれた
愛に似た 燈(ともしび)
寸足らずな僕をしっかりと倒れないように支えてくれる
もういいかい?
まだだよ
そんな声が近づいたり
遠のいたりする
夕暮れの道に咲いたほんの少しの微笑みは
気づかずにもらった小さなプレゼント
少し遠くの目には見えない
線を 一息で飛び越えた今日に
僕は 大人になるより 大切なものを
手にした気がするよ
おかしいかなあ
笑われるかなあ
でもそれは次第に僕の 宝物のひとつになっていたりする
ささやかながら生きる理由に なっていたりする。