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どるとるの部屋


[7626] 綿毛
詩人:どるとる [投票][編集]


花は咲いては散っていくでしょう
僕らの命も同じ道を辿るでしょう

窓から見えた空の向こうを見てた
思うことはただひとつだけだ

こんなにたくさんの人がいる中で
人の死はあまりにも呆気ないね

もしも僕が君を忘れるようなときには
きっとこの世界には愛なんてないのさ

アイラブユーってごまかして笑う
僕の言葉には悲しみが隠れている

すっかり日の落ちた街並みが
明かりを灯してゆらゆら揺れた

おおよそその場かぎりの言葉は
大切なはずの人を傷つけた

誰かの涙を見つけるための目を
持っていたら悲しみなんてないのに

声と言葉で 伝えてゆく愛や心を
また違う誰かが 伝えてゆく

見え透いたの希望なんてなくていい
明日が今日と同じ晴れ渡った空なら

ぼやけたままで遠くのほうで
うずくまる未来があなたにとって
そして僕にとって少しだけ明るいものなら
あるはずもない希望も信じられる そのための綿毛を飛ばすさ

もしも僕が君を忘れるようなときには
きっとこの世界には愛なんてないのさ

アイラブユーってごまかして笑う
僕の言葉には悲しみが隠れている。

2016/04/10 (Sun)

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