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どるとるの部屋


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詩人:どるとる [投票][編集]


手のひらに落ちた 小さな桜の花びらが
風に舞って またどこかに旅に出ました

駅前通りの賑やかな人混みをあとにして
僕は誰もいない 町外れに たどり着く

落ちる夕日と 河川敷 光と影がギリギリのラインで 混ざり合わず分かれてるマジックアワー

この街で一番高いビルの屋上に のぼって
見下ろした 街並み 案外 ちっぽけで拍子抜けしたよ

汗ばんだ体を 丁度いい具合に乾かしてく夜風が幾分心地いい

いつか この掌を 当たり前みたいに
握ってた 君の温もりを思い出してしまうんだ

同じ手のひらで 大切なものを 抱いてそして傷つけて 笑わせて時には涙を流させた

ごめんなさいも言わなきゃね でもありがとうも言うよ
とても百年じゃ足らない気がするよ

台所に立つ君を 後ろから 抱きしめて
愛してるって 柄にもなく 呟く僕にくれたあの笑顔

掌から伝わる 疑いようもない愛が
言葉もなく教えてくれた 愛することや 愛されるということ

その悲しみや喜び 痛みまでも 今ではどちらも願っても手に入らないよ

手放したのは他でもない僕自身だから
でもまだ余熱のように この手のひらを熱くする

度重なる思い出を回想するように僕は記憶を辿ってゆく

喧嘩した日のこと はじめてキスを交わした日のこと
たとえば あの雨の夜
でなければ あの日吹いていた風 気温まで
あざやかなままこの胸に あなたとの日々が まるごと残されてる

この街で一番高いビルの屋上に のぼって
見下ろした 街並み 案外 ちっぽけで拍子抜けしたよ

汗ばんだ体を 丁度いい具合に乾かしてく夜風が幾分心地いい

いつか この掌を 当たり前みたいに
握ってた 君の温もりを思い出してしまうんだ。

2016/04/16 (Sat)

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