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どるとるの部屋


[7738] 光と音の魔法
詩人:どるとる [投票][編集]


夜の片隅で 鳴らした音を拾った星が
電車を伝って 街に明かりを降らす

月の明かりも この街を照らす光なの
それを知っているのなら偉そうなことは言わないことだ

風を切って 走るスピードで
夜を 駆け抜ける 終電車

もう止まれない この思いは
切なささえ置き去りにせず乗せてゆく

それは光と音が 作り出す ささやかな魔法
アブラカタブラ 不思議なメッセージ

夢から覚めた あとも消えない まどろみは
しばらく僕の心は 夢に囚われたまま

本を開いて 空想の物語に傾倒 光の水面に爪先を浸して

翼を広げて 羽ばたくよあの窓の向こうへ

背中を 凭れさせて深く沈み込む椅子
柔らかな 羽毛は誰か抱かれているようだ

目を開いて 確かに今を 見つめて
踏み出すよ この一歩で何処までも行ける

風を切って 走るスピードで
夜を 駆け抜ける 終電車

もう止まれない この思いは
切なささえ置き去りにせず乗せてゆく

それは光と音が 作り出す ささやかな魔法
アブラカタブラ 不思議なメッセージ。

2016/04/30 (Sat)

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