詩人:どるとる | [投票][得票][編集] |
桜の雨が敷き詰められた道を歩いて
いつもの電車に乗って 学校に向かう
いつもと変わらない制服姿の君は
卒業式を前にして少しだけ 心震わせてる
胸に咲かせた 花飾り
そこには 「卒業おめでとうと書かれていた」
僕らは今日で卒業するんだなあ
街は今日も いつもと変わらず
ただ空は青いまま 春の陽射しが
アスファルトに 優しく降り注ぐ
卒業証書を 手にしたみんなが
写真を 撮りっこしたりしているのに
君は一人 ぼんやりしながら 空見上げて
今日の日付と曜日を思い出す
ホームに 立つあなたに渡したボタン
少し 削れて 色褪せてしまったけど
あなたは笑って ありがとうをくれた
恋なんてできない 離れる寂しさから
逃れるように ボタンを渡したら
あなたと違う 車両に乗り込んだ
渡せなかった手紙には あなたへの思いがあふれているのに
涙ばかりが 流れてしまう どうして好きなだけでこんなに
苦しいんだろう だけど思い出は 捨てられないよ
もう宝物になってしまったから
街は今日も いつもと変わらず
ただ空は青いまま 春の陽射しが
アスファルトに 優しく降り注ぐ
せめてあなたの幸せを祈る
恋をさせてくれて ありがとう。