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どるとるの部屋


[7817] ラブレター
詩人:どるとる [投票][編集]


あの日、確かに僕は君を好きになって
ほっぺたを赤くしたりなんかしていた

火照った 体が焼けるように熱くて
恋をしているんだと気づいたんだ

放課後のチャイムが鳴るまえに伝えなくちゃ
いつまでもこうしてても埒が明かないんだ

夕暮れの下駄箱つまらない恥ずかしさについに渡せず後ろ手に隠した 淡い想いを綴ったラブレター

「君が好きだ」その一文字に込めた あなたへの思い

伝えたいけど 伝えるのがこわいんだ
傷痕をさらすようでとても恥ずかしい

いつも君の背中ばかり見ていたから
肝心な時どんな顔だったか思い出せない

どんなに 嘘をついたって 意味はないんだ
カッコ悪くても ありのままの僕を 伝えるよ

伝えるはずだった好きですの言葉は
「なんでもない」なんて便利な言葉で いつもごまかされてしまう

「君が好きだ」今の僕には果てしなく遠い言葉

ただ単純に叶わぬ恋でもこの気持ちを
知ってほしいだけなのに それだけなのに
どうしても それ以上の何かを求めてしまう心が 言葉にするのをためらわせてる
踏み出さなければ続きなどあり得ない
止まったままの時計

夕暮れの下駄箱つまらない恥ずかしさについに渡せず後ろ手に隠した 淡い想いを綴ったラブレター

「君が好きだ」その一文字に込めた あなたへの思い

はじめて人を好きになった 大人になるための小さな痛み。

2016/05/13 (Fri)

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