詩人:どるとる | [投票][編集] |
雨が二人の前に立ちふさがって
二人の逢瀬を遮るように阻むように
今夜は 会うなといってるように
僕には見えたんだ
傘を持って 空に向かって 突き立てる
開いたとたんに 雨が 僕を濡らすのをやめる
雨粒のカーテンに いくつもの 物語が見える
それは 映画のスクリーンのように ありし日を映し出す シネマ
水玉模様が ガラス窓に 描かれて
しずくになってすぐに落ちてしまう
君は今頃何をしているのかな
偶然を装ってばったり会えないかな
そんなことを 思ってると雨はしだいに 強まって小雨はどしゃ降りになった
君を悲しませてるのが僕だと気づいた時
君を悲しませないと約束した日のことを思い出すなんて皮肉さ
雨は人の心を ありのまま映す 鏡かもね
呟くように 誰かがそっと僕に言ったよ
君に会いに行こうかな つまらない意地はここら辺にして
雨粒のカーテンに いくつもの 物語が見える
それは 映画のスクリーンのように ありし日を映し出す シネマ。