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どるとるの部屋


[7857] スタートライン
詩人:どるとる [投票][編集]


どれだけ歩いたら たどり着けるだろう
ヒントも地図もない旅を強いられてから
どれくらいの時間と季節が流れただろう

きりもなく流した涙
同じくらい浮かべた笑顔

隙あらば誰かを愛して いつの間にか誰かに愛されて
大切なものや守るべきもの
僕にもいくつか出来たんだ

いつか誰かに 見せびらかすように
自慢したいよ 「こんなに思い出が僕にも出来たよ」と

いつの間にかまた スタートラインにいる
ゴールなんて分かりやすいものはない

どうやら僕にも付加価値なんてものがあるようで

生きることで それが果たせると 君は言った

悲しいときこそ傍にいることが 本当の愛だと思うんだ
一つ一つの出会いがくれた
一人一人違う その人と過ごした時間

そして道に迷った僕はスタートラインに 戻って空見上げる
今は忘れてしまった気持ちを 思い出すように

鳥が 空を飛ぶ羽を生まれながらに
持っているのは なぜだろう

その答えは きっと案外 簡単なことなのかも知れない

僕には地面を蹴って歩ける足がある
僕にとっての空はどこまでも続く道だ
ならば鳥が飛ぶがごとく僕も 地面を歩こう

隙あらば誰かを愛して いつの間にか誰かに愛されて
大切なものや守るべきもの
僕にもいくつか出来たんだ

いつか誰かに 見せびらかすように
自慢したいよ 「こんなに思い出が僕にも出来たよ」と

いつか たどり着けるかな 思い描いた場所に
その時にはどうぞ 僕の隣には君がいてほしい

そしてまた誰かがスタートラインに立ち
走り出す背中が もうあんなに小さく 見える。

2016/05/23 (Mon)

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