ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > アンテナ

どるとるの部屋


[7924] アンテナ
詩人:どるとる [投票][編集]


遠く離れた 人の心を思いながら涙ぐむ
その時流れた涙は優しい色をしている

お元気ですか?お変わりないですか?
こちらは毎日暑い日々が続きますが
お体など どうかこわさないでください

君が送ってくれた手紙と 季節の花の押し花
僕は何を送ろうか考えているよ
君が笑ってくれるものを 選びたいな

遠く離れた人の心を結んでいるのは
きっと互いを思う気持ちだよ
電話みたいに ほらつながっていく
宇宙から送られる電波が夜だって地球に届くように

今君が何をしているのか どんな気持ちでいるのか
些細な寂しささえ 僕の心のアンテナが 受け取ってしまうの

旅立っていく 風の行方を 訪ねることもしないまま黙ってその背中を見送る

季節の変わり目なので風邪など牽かないで
君のこと心配しだしたらきりがない
自分のことを後回しで人を心配するから

この街の 中で築いた 人の輪と 手にしたいくつかの思い出を束ねて 花束にして贈りたい
写真を送るよ カメラマンが下手だけど

いつか夢を語りあったあの夜のように
まだ見ぬ未来に描いた想像を
ただの想像の域でとどめずに今も
追いかけてるのは 僕も君も同じだよ

君を思うとき笑ってくれてたらいいな
僕も 笑ってるから同じ気持ちになりたい
そして 離ればなれの二人の気持ちがある瞬間に重なればいい

アンテナ伸ばしていくよ 君に向かって
この心が 君の声を聞き逃さないように
耳をすまして目を閉じて 深く沈み込むイメージの水底へ

遠く離れた人の心を結んでいるのは
きっと互いを思う気持ちだよ
電話みたいに ほらつながっていく
宇宙から送られる電波が夜だって地球に届くように

今君が何をしているのか どんな気持ちでいるのか
些細な寂しささえ 僕の心のアンテナが 受け取ってしまうの。

2016/06/05 (Sun)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -