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どるとるの部屋


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詩人:どるとる [投票][編集]


公園通りの 木々を桜の花がかざる
ほら見てごらん風も ささやいている

写真を 撮ろう 今が思い出になるように
まばたきも惜しいくらい一分一秒を愛して

美術館に 飾られた
絵や彫刻のように
決まったテーマや 命題があるなら

まだもう少し 生きやすかった
でも それがないからどうとでも生きられる

君の瞳のその奥で今 散っていく
花びらが 頬をかすめて 恋にうつつを抜かす僕らを少しからかう

それが気恥ずかしくて 目を反らした 四月の街並みはどこか少し切なく 泣いているように見えたの

大好きな歌も 服の趣味も変わって
珈琲の銘柄も 苦いのを 好むようになった

少し遠くの街へ 電車に乗って 旅立つ
窓から見える景色は 僕に何かを伝えたがっている

値札の付いた 既製品になんて価値はない
目には見えない 気持ち程 大切な物はない

肝に命じていたいのは人を愛する喜びよりその隣にある痛みだ

春も終わりを告げた今 僕らは
どんなふうに 歩いていけばいいの
少し歩いただけで首筋に汗が伝う

夏の背中が もうそこまで見えている
もう 昨日のように僕は 振り返らない
涙を知らなかった頃より強い僕だから

ひらり ひらり
時の間を縫って
季節がめぐる
花びらの落ちる
速さでゆっくり
流れていく

君の瞳のその奥で今 散っていく
花びらが 頬をかすめて 恋にうつつを抜かす僕らを少しからかう

それが気恥ずかしくて 目を反らした 四月の街並みはどこか少し切なく 泣いているように見えたの。

2016/06/05 (Sun)

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