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どるとるの部屋


[7985] 洗濯物
詩人:どるとる [投票][編集]


君のいなくなった部屋を見渡して気づいたよ
片付けてみたらこんなに広かったことに

慣れない手つきで洗濯物を畳むけど
君のようにはうまくはいかないなあ

折り紙のように角と角を合わせるようにするのがコツだと
君は 簡単にやってのけるけど 僕にはどうやら向かない作業だ

時には強がってみたり意地っ張りになった
頑張れば僕だって 出来るんだと最後まで見栄を張った

ほら 時間はかかるけど 君がいなくなってできた胸の隙間を 埋めていくように
足りない 優しさを探して 歩いてる

悲しみはひっくり返しても悲しみのままで
喜びにはならないと気づいてしまった

ほらうまく畳めたよ って 言うけど
君はもう僕には笑ってはくれないんだね

洗濯物を干すとき 雨も降っていないのに濡れるのは
僕の瞳からこぼれる涙のせいだ 受け流す傘もない

言葉はいつも 思いとは裏腹に 君を傷つけた
素直になるその一歩手前で 強がる自分に追い抜かれる

ほら 今日も君のいない部屋の中で
僕は すっかり乾いた 洗濯物を取り込んで畳んでる
どんなにうまく畳めても悲しいだけさ

夕暮れの道に 立って 沈む夕日を 歩道橋から 眺めてる

さよならは こんなにも呆気なく 今日も夜を連れてくる
まだ 何も始まってもいないのに

時には強がってみたり意地っ張りになった
頑張れば僕だって 出来るんだと最後まで見栄を張った

ほら 時間はかかるけど 君がいなくなってできた胸の隙間を 埋めていくように
足りない 優しさを探して 歩いてる

洗濯物を畳めるようになった そのくらいしか
変わったことはないけどそれが君がいたことの確かなしるし。

2016/06/22 (Wed)

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