詩人:どるとる | [投票][編集] |
少し無理やり つないだ手を
振りほどく 君は僕を追い抜いていく
遠くから君の背中を眺めて
離れて知る 今までは見向きもしなかったこと
公園通りには 春を迎えると
膨らんだ蕾が そろそろ 目覚めて
いつもは ただ過ぎるだけにとどまる景色も
見惚れるほどに あでやかになるよ
君を愛し君に愛された 月日を宝物のようにしまったまま
僕は ずっと美談に酔いしれたように歩いて行くんだろうか
誰もみなそれぞれの愛を 思い描きながら
誰かを愛するのだろう僕もそうやって
君を愛したことをまだそらで覚えてる
君は幸せだったかい?って本当は聞きたいのに
君はもう春を待たずに散ってしまった
青く広がる空の下に繰り返される営み
もう君がいないことにもいくらか慣れたよ
笑った顔が太陽みたいで
君を見てると 元気が出てくるんだ魔法みたいに
悲劇の主人公にはなれそうもないよ
人は一人では生きていけないのです
僕は君を愛したように また誰かを愛すときが来ても
愛するつもりはないよ だって君は世界に一人しかいないから
嘘もつくし時にはわがままにだってなるよ
それでも心だけはなくさぬように生きる
君にもらった 優しさっていうまだ
曖昧な理解でしかない 愛を
その人にも伝えていけたらいいな
君は笑っていてくれるだろうか
青く澄みきった空のように 君じゃない人を抱くその時も
誰もみなそれぞれの愛を 思い描きながら
誰かを愛するのだろう僕もそうやって
君を愛したことをまだそらで覚えてる
君は幸せだったかい?って本当は聞きたいのに
君はもう春を待たずに散ってしまった
残された僕が今
言えることは
きっとただひとつ
「愛してくれてありがとう」
君のおかげで人を愛せるようになったよ。