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どるとるの部屋


[7996] コール
詩人:どるとる [投票][編集]


ほどけかけた靴紐はそのままで
あとでも結べるさと風にさえ強がったよ

他人の痛みなんて知らないふりをする
見える物だけしか信じようとしない

駅に到着したばかりの電車から押し出されるように人がホームにあふれた

見上げた空の向こうに知らない明日があって
僕らは見えない先々の不安とたたかいながら

自分のことを思う合間に 誰かのことを思ったりしながら
余裕を見せておきながら実はいっぱいいっぱい

電話のコールを 君は拾ってくれるかな
出るまでは もどかしい気持ちは消えない

雨が続きます傘が手放せない1日
テレビの天気予報で今朝やってたよ

最近何をやっても味気ないのは
幸せってやつを見失ってから

やりたいこともいまいち見つからずに
ただいたずらに過ぎていくだけの 毎日

今自信を持って自分は幸せですと 言える人が何人いるかな
きっと幸せだと胸を張れない人が多いはず

いくら愛されても いくら愛してみても
なにかが やっぱり足りない
悲しい映画を観ても 涙を流すのは 君だけ

心はあるの?って言われたから他人の幸せや悲しみに涙なんか流せるかって言った

それなりに喧嘩もしながら 程よく二人はすれ違って
たまに交わすキスが 退屈しないように
飽きないように
距離が 近づきすぎないように でも遠すぎないように
二人の間には いつも 見えない壁があるみたいにさ 遠慮というものを上手く使おう

見上げた空の向こうに知らない明日があって
僕らは見えない先々の不安とたたかいながら

自分のことを思う合間に 誰かのことを思ったりしながら
余裕を見せておきながら実はいっぱいいっぱい

電話のコールを 君は拾ってくれるかな
出るまでは もどかしい気持ちは消えない

話すことなんて 特には ないけど
今なぜか 君の声が聞きたい。

2016/06/28 (Tue)

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