詩人:どるとる | [投票][編集] |
15両編成の 電車に乗って
二つ離れた 駅に行く
春を迎えた 街はもう
桜の季節です
いまだ 消えない寂しさは
いつかあなたが僕の胸に
残していった置き手紙
次の便りには なんて書こうかな
書くことがなくなってしまった
途切れないようにつなげていく
花曇りの 空を かるくいなして
ホームに降り 改札を通れば
懐かしい匂いが 鼻孔をくすぐる
「案外僕も 感傷的なんだな」
詩人になってしまうよ
素敵な景色に浮かんだ
名前のない季節に
毎年同じ 季節が巡るのに
毎年同じ気持ちになる
毎年同じ色に染まる
便箋に落ちた涙が乾くまで
もうしばらく かかりそうです
雨上がりのあとも消えない
痛みとか 苦しさとか愛しさとか
下書きのままで 終わらせた恋
色もつけずに 破り捨てた15の恋
色鉛筆の一揃えの そのなかのどれが
欠けてもあなたじゃないんだよ
誰かが 言っていた言葉が離れない
次の便りには なんて書こうかな
書くことがなくなってしまった
途切れないようにつなげていく
花曇りの 空を かるくいなして
ホームに降り 改札を通れば
懐かしい匂いが 鼻孔をくすぐる。