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どるとるの部屋


[8036] ストーリー
詩人:どるとる [投票][編集]


君は覚えているかな 忘れようとしたって
忘れられないくらい思い出はあるんだよ

笑ったり泣いたりしただけの 映画にもならないような
二人だけの 特別な物語がある

押し寄せる波に さらわれていく貝殻
砂に描いた 下手くそな 君の似顔絵波が かき消した

いつの間にか 隣にいたはずの君は いなくなってしまって
途方に暮れたように君を探すけど

笑ったこと 泣いたこと 皮肉にも君を失ってから気づいたんだよ
どんな素敵な思い出よりも ありふれたことが何より大切だったこと

いくら一緒にいても足らない時もありゃ
すれ違ってしばらく口も利かなかった時もある

わがままな僕と君は 似ている だからかな 割合うまくやっていたほうだと思うよ

日が沈むのを 歩道橋から 眺めてた
ここからの景色が 君は好きだった
人の暮らしが見えるからだって

失うために 積み重ねた時間なんかじゃない
永遠に続いたっていいくらいに 君を愛した

こんなことならもっと 君と一緒にいればよかった
世界のどこにも 君はいないなんて
こんな悲しみが他にあるだろうか 代わりなんていないんだよ

桜の季節にはまた 月ごとに日記が新しくなるように
新しい気持ちで まっさらな心で生きられる
そんな生易しいことならば 悲しみだってもう少し 可愛いげがあるんだろうな

いつの間にか 隣にいたはずの君は いなくなってしまって
途方に暮れたように君を探すけど

笑ったこと 泣いたこと 皮肉にも君を失ってから気づいたんだよ
どんな素敵な思い出よりも ありふれたことが何より大切だったこと。

2016/07/09 (Sat)

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