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どるとるの部屋


[8039] 時の旅人
詩人:どるとる [投票][編集]


汽車は 汽笛をあげて夜空に飛び立つ
この汽笛はいくつの冒険をしてきたのだろう

どれだけの物語を背負っているのだろう
星の数ほどの惑星を渡り
いくつもの出会いと別れを知っている

悲しみの駅では涙を
喜びの駅では笑顔を
憎しみの駅では裏切りを

窓から見える 名前もない星々に
遠い昔名前をつけた人がいる

僕もまた 名前のない星のひとつ
手のひらを広げればそこに銀河

レールのように 刻まれた線は道となり
新しい旅へと僕らを連れて行くだろう

汽車は再び 汽笛をあげて夜空に飛び立つ

時を旅する 汽笛に乗り窓の向こう
過ぎていく思い出を見送る もうここへは帰らない

どこから来てどこへ向かうのだろう
始まりも終わりもないような旅だから
いつもそこが終わりであり始まりだ

愛の駅では 口づけを
夢の駅では憧れを
希望の駅では 夜明けを

野に咲く花に 名前をつけた人がいる
あなたにも僕にも名前があるように

運命のように 訪れたさよならの日に
あなたは いつものように笑っていたよ

僕を置いて汽車は行く 汽車をあげて

もうあなたの隣には僕はいない
僕の隣にはあなたはいない

あなたにはあなたの旅があり
僕には僕の旅がある

「もう会えないのにどうして口づけをしたの?」
僕はあなたにまた会いたくなる

窓から見える 名前もない星々に
遠い昔名前をつけた人がいる

僕もまた 名前のない星のひとつ
手のひらを広げればそこに銀河

レールのように 刻まれた線は道となり
新しい旅へと僕らを連れて行くだろう

汽車は再び 汽笛をあげて夜空に飛び立つ。

2016/07/11 (Mon)

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