詩人:どるとる | [投票][編集] |
最初の被害者は石巻という男性だった。
巨大な四角い硝子の中にもうひとつ筒状の硝子を入れて人一人ぶん入れる空間があり、その中に石巻は直立した姿勢で入れられていた。
そして胸ポケットに「」と書かれたカードが入っていた。
そのことから殺人として捜査されたが、一向に犯人の目星さえつかめないまま時効となる。
それからある小説家の書いた一冊の本に警察はたどり着く。
その本は若い作家の書いた小説でその年の新人賞をとったミステリーだった。
その小説の中に出てくる殺人がまさに現実で起きた石巻殺人事件そのままだった。
それからパラダイスというレストランで客に見立てた死体が椅子に座らされてあたかも食事をしているようなシチュエーションにされた奇妙な殺人が起きた。被害者は多数。だが、誰一人関係性のない全くのランダムに集められた人たちだった。死体の傍らにはそれぞれ「虚偽」というカードがあった。
またもやその作家の書いた小説どおりだった。
「硝子の中の殺人」そして
「殺しのレストラン」
警察は作家を捕まえようとしたが、彼は自室でころされていた。
巨大なおもちゃ箱におもちゃと一緒に兵隊の格好をさせられて入っていた。
カードには「道化師」とあった。
それから、捜査は振り出しに戻った。
犯人だと思っていた作家も真犯人の手にかかってしまった。
警察は手をこまねるばかりで一向に犯人はわからなかった。
しかしながらあとであることがわかった。
最初にころされた被害者の石巻には借金がありその借金はもはや返せない額にまでなっていた。
二番目にころされた人たちも同じような事情を抱えた人たちばかりだった。
つまり事件関係者すべてに共通するのは「いつ死んでもおかしくない動機」があったことだ。
これは憶測だが、つまりは皆殺人をでっち上げてころすかわりに次の誰かがころすという繰り返しを