詩人:どるとる | [投票][編集] |
喜びと悲しみの日々はまだ夜明けには近く夜更けには遠い
月は沈まないでずっと僕を照らしている 日々はなんのために続くのだろう
嫌な記憶は余計なものだからと昨日に置き去りにしたつもりでもちゃんと心のどこかには置き去りにしきれなかったものが燃えカスのようにほらくすぶっている
今日は明日の自分を
明日はそのまた明日の自分を確かにするためにあると昔の僕なら言うだろう
明日は今日を生ききらないと行けない場所なわけで明日の自分には明日にたどり着かなければ出会えないわけだから
日々、生き続ける理由があり意義がそこにはあるんだ
時は何もしなくても流れるけれど生き続ける者だけがその先を見届けられる
つむじ風のその中を歩く宿命を背負っても歩き続ける覚悟がある者だけに見える光も確かにあるよ
ほら…目の前に
今、僕は生まれ変わる
蛹が蝶になるように
長い眠りから覚めて
夜明けへと向かってゆく 助走なんかいらないさ
昨日の僕が今日の僕の傷だらけの背中を押してくれるから
さあ、今ならば迷わないで明日の扉を目もつぶらずに開けられる
扉からもれる光の中
包まれて僕は今思う
今日の僕がいるからこそ明日の僕に出会うことができる
あたりまえな事じゃないさ
今日の僕がいなければ明日の僕には絶対に出会えないから
今を生きてるっていう事実はとても特別な事だと思うんだ
今日の日の今日だけの笑顔
今日の日の今日だけの涙
最後はもう地味なくらいあくびをして眠るだけ
それでも安らかな寝顔で布団の中で丸くなる
そんな毎日を繰り返すだけで終わるたった数十年のストーリー
まぶたを永久に閉じるまで僕は何度でも扉を開けるんだ
どんな事があったとしても今日の自分でしか明日の自分を生み出せないということだけは明日に嫌われるまで忘れないよ
ぼやぼやなんかしてられない
明日の自分に駆け足で会いに行こうよ。