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どるとるの部屋


[8092] 金メダルのヒストリー
詩人:どるとる [投票][編集]


愛なんて言葉があるからいけないんだ

複雑に絡み合う 憎しみと愛の かたむすび

目を閉じたままで 平均台の上を歩く
勘とセンスで 乗り越えてく距離

水泳の選手が 魚みたいに泳いでく
テレビの中に エールを送る

ドラマみたいな 感動はいらないな
拍手の渦に 包まれてく選手が
金メダルを手にするとき
同時に手にした勝利は誰のもの?

自転車にはじめて乗れたときのこと
思い出していたよ 河原で猛特訓

転んだ傷は数知れず
おかげで転ぶのには慣れたよ お父さん

痛みなんて 自転車に乗れたときに
全部消えたよ 魔法みたいに

金メダルを手にしたことよりも
その目に映るのはそこまでの道のり
頑張りや努力なんて言葉じゃ語れない
血のにじむ 時間が報われた瞬間が今だ

水を爪先で蹴って進む 息継ぎなしで
苦しさが僕にくれる それ以上の喜び

ドラマみたいな 感動はいらないな
拍手の渦に 包まれてく選手が
金メダルを手にするとき
同時に手にした勝利は誰のもの?

金メダルを手にしたことよりも
その目に映るのはそこまでの道のり
頑張りや努力なんて言葉じゃ語れない
血のにじむ 時間が報われた瞬間が今だ

手にした金メダルが持つ ヒストリー
浮かべたその涙が全てを物語っている。

2016/07/25 (Mon)

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