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どるとるの部屋


[8215] 薄紫色のため息
詩人:どるとる [投票][編集]


さっきからため息ばかりついてる
約束なんてもうどうでもいいみたいだ

いくつも重ねた 共有した時間
僕らはもう 来るとこまで来てしまった

黙ったまま 唇を盗むように奪うから
これからは余計な言葉 言わせない

木枯らし吹きすさぶ冬の 並木道で
木の葉を集めて 綴った詩を
今、静かに紐解いて解き放とう
羽ばたきだけを残して飛び立つ 思い

窓ガラスに描いた愛してる
そういうのはドラマの中だけにして

同じ世界の中にあるそれぞれの物語
すれ違うことはあっても重ならない

待ち合わせた 時間まであともう少し
伝えたい言葉は たったひとつだけ

手と手をつないでくるくると回ろう
終わらない輪廻の轍をなぞりながら
今、確かに 世界は色を変えていく
新しい足跡が 地図を埋めていく

ひゅるりらら
ひゅるりらら
薄紫色に 染まる
ため息 吐き出して
少しだけ 今は
笑うんだ

木枯らし吹きすさぶ冬の 並木道で
木の葉を集めて 綴った詩を
今、静かに紐解いて解き放とう
羽ばたきだけを残して飛び立つ 思い。

2016/09/06 (Tue)

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