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どるとるの部屋


[8216] 公衆電話
詩人:どるとる [投票][編集]


君は今頃何をしているだろう
なんとなく気になってしまうよ

距離を結ぶのはたまの電話ではなく
目には見えない何かだと信じよう

真夜中 君に会いたくなって
せめて声だけでも聞きたくて

公衆電話に走った雨の夜
受話器越し聞こえてきた君の声

安心した僕は泣き出してしまうのさ
幸い雨の音で何も聞こえない

やたら記念日を大切にするから
毎日何かしらの記念日になる

出会って何年になったかなんて
忘れてるのに君はずっと覚えてる

ささやかな僕の何気ない言葉を
宝物のようにしまってる君

十円を積み重ねて時間を忘れて話した
ずっと昔の恋する人たちにしかない時間

十円が切れたとき話したいことが
ある筈なのに 素っ気なく呟くさよなら

携帯があれば いつでもどこでも話せる
そんな時代ではなかった僕らの恋は
会話をするのも少し面倒で でもそれが
ほんの少し 楽しみでもあったのさ

真夜中 君に会いたくなって
せめて声だけでも聞きたくて

公衆電話に走った雨の夜
受話器越し聞こえてきた君の声

安心した僕は泣き出してしまうのさ
幸い雨の音で何も聞こえない

言葉を探しながらたどたどしく話す
僕らは不器用に精一杯恋をしていた

そんな恋が君にはできるかな?

2016/09/06 (Tue)

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