詩人:どるとる | [投票][編集] |
水面に 雨が降り積もる
季節が 景色を染めれば
名前のない気持ちになる
走り出す 始発電車
回り続ける 時計は昨日と同じ今日と明日を
真っ白な画用紙に描くだろう
わがままな誰かさんのぬくもりが
この手から離れようとしない
曖昧な運命なんてものでぼやかして
いつまでも 肝心なことは伝えないまま
雨を受け止めた 地面は器のように
手のひらを差し出したよ
涙を集めて 海を広げて
平泳ぎでもしようか
油断すれば太平洋まで 飛びそうな気持ちを
君が 引き留める
世界中のたくさんの言葉が輝いて
この世界を染める色になっている
そんなありふれた奇跡なんかは
誰も見向きもせずに通り過ぎるだけ
あざ笑うだけ。