ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 虹

どるとるの部屋


[8350] 
詩人:どるとる [投票][編集]


昼下がりの公園は 犬の散歩する人と
キャッチボールする子供たちの笑い声

雨上がりには とっておきの冗談を
虹の配色は 赤と青と緑と何だっけ

色褪せたベンチの上に降る 時間は
名前のない 幸せを僕らにくれるんだ

甘んじて受け入れよう 抱きしめよう
ぼやけた頭で ありのまま世界を見渡そう

川の流れを 見ていた 夕暮れの出来事
缶コーヒーと カロリーメイト

薄汚れた カーテンと 硝子のひび割れ
今、ここにある 疑いようのない現実

いくら声を積み重ねても届かない空
それでも 届けばいいなあの風船みたいに

少しの風に乗って 遠い国へも行ける
明日を探す旅に出るんだ

ページは めくられる 見えざる手で
時計は回る
名ばかりの幸せが 笑う
そしてまた雨は降る
変わらぬ営みの上に

色褪せたベンチの上に降る 時間は
名前のない 幸せを僕らにくれるんだ

甘んじて受け入れよう 抱きしめよう
ぼやけた頭で ありのまま世界を見渡そう

遠くて見えなかっただけで きっと幸せはすぐ側にある。

2016/10/15 (Sat)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -