詩人:どるとる | [投票][編集] |
頼りなく 結ばれた
小指の先の 赤い糸なんて
あやふやなものに 救われている
この町でおそらく一番高い
あのタワーの 名前を君は知らない
展望台、屋上まで 登ったなら そこから見える
景色は 遥か地上を見下ろせる神様のアングル
捩れた 僕のよこしまな 醜さを
さらけ出してもいいなら
冬の寒さも 下手くそな口笛も
忘れたふりで 君を壊してしまいたい
懺悔という言葉で形容してしまうには
些か 違うのかも知れない
何か 脅迫めいたものに 突き動かされて
誰もが その不自由さを 喜ぶ
目の前に 咲いた可憐な花の 醜さを 僕は知っている
似たような 醜さを持って生まれた 二人
傷を 負った 傷口から流れる血潮は
人かどうかを確かめている証
今朝見た夢と 目の前にある現実
そうさ比べるまでもないだろう
僕は途方に暮れた 雨の中に
いつまでも たたずんで
無数の雨粒に打たれ 探していたんだよ
空白を 埋める記憶
捩れた 僕のよこしまな 醜さを
さらけ出してもいいなら
冬の寒さも 下手くそな口笛も
忘れたふりで 君を壊してしまいたい。