ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 桜

どるとるの部屋


[8473] 
詩人:どるとる [投票][編集]


糸を結ぶように ひとつに束ねた
同じ思い出を 今日記憶に刻んだよ

重ねていくのは 限りある季節
不安になって風に たずねた
生き方に 間違いがないか

桜よ なぜそんなにきれいなのか
散り際さえ 美しく
舞うように落ちる花びら
しばし時を 止めて終わる命を 見送る

声を潜めて 胸の音を 聴いてごらん
生きていると 確かにわかるから

色を変えて 流れていく季節
言葉なんて 本当は万能じゃない
形に迷うときさえあるから

桜よ 伸びた枝の先に 蕾を 抱いて
新しい命を 明日に
つなげていく リレー
遠い夏を 呼ぶ 声の傍らで遊ぶ日射し

ああ 今の気持ちさえ言葉にできずに

ただ美しい景色の前に 立ち尽くすだけ

それだけで 幸せになれてしまう不思議

桜よ なぜそんなにきれいなのか
散り際さえ 美しく
舞うように落ちる花びら
しばし時を 止めて終わる命を 見送る。

2016/11/26 (Sat)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -