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どるとるの部屋


[923] 眠らずの夜
詩人:どるとる [投票][得票][編集]


昨日と明日の狭間に今日があるように今僕はその今日に立っている
サーカスの綱渡りのようにかろうじて希望ひとつで生きている

前方の闇を睨み
どこまでもつづいてる不安を蹴散らして
愛想笑いする自分を否めて
目をつむり
風を感じてみた夕暮れ

気づけば車道ギリギリで 危うく 常識という時に理不尽極まりないどでかいトラックにはねられそうになって

指折り数えで過ごしてきた日々
いつの間にか大人になって指折り数えるのも面倒になってさ
やがて親にさえ同情を買っていた

なんてやさしい夜だこと
心まで包み込んで
涙を降らして
全てを 滲ませて

夜を身にまとって
さあ 行方不明になりにゆこう
世の中がイヤになって
それでも頼りの綱は世の中で
また愛想笑いでやり過ごそうとする自分を見つけた
殴りたくなったよ
自分を自分で

もう何もかも全て
捨ててさイチから
やり直したい気分

まぶた閉じれば
現実には無い
明るく眩しい
夢がこんなに広がるのに途端目を開けたらそこに見える現実のギャップに目が眩む

ああ 嘘であってほしい…
何度も ほっぺた抓ってみたけれど
痛いだけで夢からは覚める気配はない

ため息揺らして
うつむきながら
歩く 真夜中の歩道
月になぜか嫉妬して
身にまとった夜を
払い落とすように
なんだか己を生かす酸素さえ 汚いものに思えて まるで自信というものが消え失せた
そんな気持ちに落ち込んだ

夜はまだ明けない
朝はまだ来ない
また今日も眠らずの夜
何を待つでもなく眠らずの夜
ベッドにへたり込んで子猫のように低く鳴いた
見えない悲しみが僕を溺れさせようと
溢れる涙で 目に映る景色 全てをぼやかした。

2010/01/20 (Wed)

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