詩人:どるとる | [投票][編集] |
何もやることがないから
適当に買ってきた本を読んでいたんだ
何もやることがないけど
読みたくもない本を読んでいたんだ
ふいになんとなく窓の外を眺めてみたら
月が輝いていた
あたりまえな景色とばかにしていた景色に救われた夜
哀愁のブルースに見送られながら
さよならと言う声もいつもよりずっとハリがある
さあ 夢の中へ僕は導かれて行こう
さっきまでの涙は全て 乾いたから
もう いつでも素直に笑える
夜よ 少しだけ その静けさに 夢をひとつまみ振りかけさせて
ちょっとだけ吹いてみる口笛が風にのって 流れてゆく
僕の肩先に揺れる音色
ああ 明日にそなえて眠ろう
全てを受け入れ眠ろう
明日は明日で頑張ればあとはどうだっていい
何をしたいのかもあいにく決まってない僕だけれど
許せ 今は まだ旅立ったばっかだ
これからだよ
新しいことのはじまりは
今はただこの夜を乗りきろう
月の光をめいっぱい浴びて。