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どるとるの部屋


[939] 昨日までの僕と今日からの僕
詩人:どるとる [投票][編集]


昨日までの僕はだめなやつだった
どうだめなのかはわからないけれど
とにかくだめなやつだった
でも今日からの僕は
昨日までの僕とは違うのさ
何がだめかもいまいちわからないけれどきっと何かが違うのさ

日々、人は成長する
からだも心も全て
だけれど僕はまるで時が止まったように見た目とも心とも変わらないままだよ

今日も幼いあのころの感性そのままに僕はたかが夕暮れに涙を流している

『さよなら』というように響く五時のチャイムが町中を優しいその音色で包んで
その少しのあいだだけ僕は昨日までの僕にもどったように思い出せるんだよ
忘れたわけじゃないさ
ほら 胸の中にあふれる思い出がさざ波のようにゆっくりと押し寄せて 僕の心をふるわせてさ 涙腺をこれでもかってくらいゆるませるのです

たしかに昨日までの僕はすごくだめなやつだった
だけれどそのおかげでほら 花も咲いた
昨日までの僕のことはそれなりに愛していた
腐っても枯れても僕は僕だから

夕暮れみたいに優しくなれたら
そんな思いが僕を変えたのかもしれない

何が悪かったのか
今でもわからないけど何かがきっと変わったのだろう
何が悪いのかもわからないのに変わったのかなんてわからないはずなのに なんでかそんな気がするのは夕暮れに涙を流せるようになったから

ありふれた毎日の中でたった一回の今日との『さよなら』がとても切なくて名残惜しくて
あふれる涙が胸の中を 熱くさせる
昨日の僕よ少し 生まれ変わった僕を明日で待て
すぐ行くよ

『さよなら』というように響く五時のチャイムが町中を優しいその音色で包んで
その少しのあいだだけ僕は昨日までの僕にもどったように思い出せるんだよ
忘れたわけじゃないさ
ほら 胸の中にあふれる思い出がさざ波のようにゆっくりと押し寄せて 僕の心をふるわせてさ 涙腺をこれでもかってくらいゆるませるのです。

2010/01/23 (Sat)

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