個はすべからく万物に帰する
形骸は新たな生命の宿り木
生い立ちは成り行きの始まり
死はすでに亡き母胎への永い帰路にして 始まりの終わり
巡り巡る流転によってのみ形成しうる狂瀾の現世
たまゆらの生にて賢明さはうつろいの礎
始祖から末世へくり返しくり返す終焉への畏怖心
しかして個はつれづれの渡り鳥にて悠久のその先をおもんばかる智慧を知らず
わが身はわが有様を憂うばかり
春風拙作にしてつれずれの身なれば
狂歌のごとく日そして日は移りゆく
ならば知解もまた春風拙作にすぎない
2005/03/19 (Sat)