詩人:けむり | [投票][得票][編集] |
気がつけば生きていました
物心がついた時にはすでにそれなりの思い出がありました
そのために死ぬことに恐怖心がありました
生きるために生きていられる暮らし方を探しました
必要にせまられ人付き合いをしている内に色々と学びました
おもに円滑な人間関係の仕方です
笑顔で積極的に面倒ごとを引き受けるのが好まれるようでした
ですから笑顔を作るのがうまくなりました
話題の音楽や映画の知識があるとより好かれやすようでした
逆に知らないと倦厭(けんえん)されることがありました
海や山での遊び方を知っているともっと良いようでした
さらに親しくなるためには夢を語ったり部屋に招いたりする必要がありました
生きるためにもったいぶるようなことはしませんでした
たまに優しいねと言われることがありました
照れくさいですが嬉しい言葉でした
ひどいと言われることもありました
悲しい気持ちになる言葉でした
生きていくのは大変だと滅入ることがあります
どうしてそう思うのか考えてみました
おそらく人に好かれなければならないからだという結論が出ました
ならばいっそとことん嫌われてみようかと考えてみました
とたんに生きていく自信がなくなりました