詩人:けむり | [投票][編集] |
聞こえますか? けっして飽和することのない時の流れが
存在に痛みを与えるけれど 呼ぶ声が ほら あなたを…
火の灯った蝋燭のように刻々と燃え散る喜びと
雪のように降り積もる悲しみのヘドロがあなたにませた行為を強いるけれど…
あなたは大勢の中心で誇らしげにグラスを飲み干しながら
ふと目を向ければうつろな顔で幼少時代に帰っている
濃い煙草をたやすく呑んだかと思えば
ゆるやかにはく煙にため息を隠しているだろう
けれどもあなたは悲しいことに 忘れてしまっている
子供がまったくの純粋ではないということを
あなたはただ幼いまま大人の社交術を身につけたにすぎない
あなたは行くべきです 若いパントマイマー
ここにあなたを満たすものはなにもないから
聞こえる先がなるべく遠くにある内に ほら あなたは
ろくでもない芸を褒めそやす数々の声のすき間から まだ
今は栄光の引き縄をつかんでいるから