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けむりの部屋


[78] せめて優しさを
詩人:けむり [投票][得票][編集]

幸せが ありふれたものならば 嬉しい
足りないよ 優しさが
ああ でもそれは ぼくこそだ
世の中のことじゃない
もっと 温かくなりたくて ぼくは
自分のいたらなさを許せない
それははた迷惑なきびしさだね
例えば あの子の傷を癒してあげたくて
例えば あの子の涙をぬぐってあげたくて
例えば あの子の罪を許してあげたくて
偽善者! なにを望みますか?
本音でも? ええ 静かな日々を
誰にも干渉されず傷つけられない日々を
だって…聞いてくれますか? ええ 弱くて
ぼくはみじめなほど弱くて 駄目な奴で
独りよがりで そのくせ寂しさに耐える強さもなくて
だから? 聞いてくれますか? ええ
だからせめて人の役に立って褒められたいんだ
褒められると 嬉しいから そして?
そして ぼくは自分自身を確立させたいんだよ
ぼくはぼくがぼくとして存在出来る世界でみんなが幸せならいいと思う
でも それは 自分勝手だってわかっている
だから? だから せめて祈ることしかできない…
みんなが幸せになれたらいいのにって
無理なのに? 無理だけど…
それを悲しいと思うぼくも やっぱり ぼくで
だから? だからせめて祈ることだけが 精一杯の優しさなんだ
それでは駄目なの?

2005/09/04 (Sun)

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