十人十色
　故に価値観は違う。

　長く綴られた文字
　一言一言が丁寧で魅力的だけど
　早くあたしを抱きしめにきてよ

　あなたの未来には
　私の姿がありますか？

　我が子を愛育し
　幸せな人生を描いて
　3人手を繋ぎ

　そんな妄想に花を咲かし
　うつらと眠りにつく毎日

　足元から照らされるライト
　歓声と同時に眩しく輝く
　踊り狂い頭振って
　執心の時を刻さあ今宵

　君との距離をカメラ越に図る
　近いような遠ような
　もどかしい距離

　レンズ内で君が嬉しそうに微笑むから
　隣りに立つ少女の肩を軽く抱き
　幸せそうに微笑むから

　シャッター音と共に
　此の気持ちを閉じ込めた

　赤や緑浮かぶ紋白蝶
　幻か手が触れる事は無く
　魅されては追いかけ
　終わりなどないのだろう

　手のひらひらひら　ひるがえし
　真似をしてたらおかしくて
　瞬間きえる紋白蝶

　狂ったように泣き叫び
　呼吸をすればまた夢の世界

　現実すら幻なのです
　手のひらひらひら紋白蝶

　小さな池を覗いたら
　後ろから押されて真っ逆さま

　ふかくふかくふかく
　ゆらりゆれた君を見上げ

　明日は果てたと何故か思う

　ふかくふかくふかく
　ゆらりゆれた水と紅

　辿れば耳から流れた血液
　水圧に鼓膜が耐えられなくて。

　引き上げられたの視界は明るく
　されど音が消えていた

　ゆらりゆれた君の笑顔

　暗い部屋に独り
　壊れた玩具の様に何度も
　「ごめんなさい」と繰り返した

　世界から音が消えた
　「普通」ではない私

　お母さん お母さん

　ごめんなさい

　私、「普通の子」じゃなくて

　ごめんなさい

　笑顔笑顔されどお面
　笑顔笑顔されど偽り

　じょうしきを見習いませう
　じょうしきに合わせませう

　笑顔笑顔されどお面
　笑顔笑顔されど偽り

　じぶんじしんを消しませう
　じぶんじしんを殺しませう

　裏切られて 裏切って
　なにが正しくて
　なにが間違いなのか
　それさえ曖昧

　結局はそう、
　自分が大好きで
　傷付くのさえ辛いのに

　再び温もりを求めてた