詩人:Ray | [投票][編集] |
真っ白な壁を目の前に
赤と青の
ペンキを渡された。
『好きなように
壁を塗ってみてください』
と言われて
一時間後
僕の目の前にある壁は
思いがけなく
ただ2色
真ん中から真っ二つに
塗られていた。
左は赤
右は青で
その境界線は
触れることなく
白い壁を見せて
はっきりとしていた。
後に聞くと
赤は自分が今抱えている 何かに対する情熱
青はそれを踏まえての
自分が察する現実
だそうで
僕の中の情熱と現実は
同等
だけど
境界線があまりにも
はっきりと在って
現実に立ち向かう気は
さらさら無いんだという
自分がわかった。
あぁ 君はいつだって
手の届く距離にいるのに
一歩踏み出して
近づくことが出来ない僕がいる。
赤と青のペンキが
混ざり合って
統一性の無い紫になる。
そんな美しくない光景は見たくないからといった理由で
触れさせなかったんだ
なんて言ったら
ただの言い訳にしか
聞こえないだろうか。