詩人:Ray | [投票][編集] |
ほんのちょっとの
ささいな現実世界の汚さが
ここまで 僕の背中を
押してきた。
残念ながら
僕はそんなふうにして
大人になった。
人生の意味を
育てられることの尊さを
考えてきたことなんて
今まで無かったけど
透明な赤ん坊として
生まれた僕が
こうして 無事見事に
大人に成長した事実。
『大人になんてなりたくない』と
幼いながらに
嘆く子供を見ると
哀しい気持ちになるのは
きっと僕だけじゃないだろう。
世の中を知ることなく
大人の実態を垣間見ることなく
育つことなんて出来ないとは思うけど
本当は 叶うなら
透明なまま、
輝かしい心を持った
大人になりたかった。
子供心を忘れないということは
きっとそういう意味だと思った。
教え育むことが教育なら、
僕は
誰に何を教わり
どんなふうに育まれたんだろう。
自分がこれから
歩んでいく未来の中に
いつだって
光輝く希望が在ってほしいと願うのは
きっと
大人も子供も一緒。
君も僕も
きっと同じなんだろう。