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Rayの部屋


[407] 指令
詩人:Ray [投票][編集]

そんなふうにして
いつだって僕の頭の中は

その言葉でいっぱいなんだ。


もうすぐ春がくるね、
なんて
笑えるはずもなく


僕は身が凍り付くほどの気持ちのまま
きっと春を迎える。



今はまだ冬だから
走れば春に追いつけるだろうことは
僕だってわかってる。



だけど足は走ることを知らないのか
構える姿勢すらとろうともしない。

目は開かないし
いっそこのまま
どこかでずっと
眠りについていられたらと
願うほどだ。



どんな人間に
そんなこと言う必要があるんだよ って

正義感なのか偽善なのか

叫ぶひとがいるけど




僕は知ってるよ。
確かに居るよ。

そういう人間は
他人に言われるまでもなく
ちゃんと自分でわかってるんだよ。




その中の一人が
きっと僕だ。

そんなはずはないって
今まで頑張ってきたけど

もう無理だ。
確かにそうだ。



明日は雪が降るらしい。


それでも僕は
寒さに凍えないように

しっかり毛布にくるまって
今夜も床に就く。



そうなると
また別の言葉が頭をよぎる。














『やっぱりね』って。

2006/01/21 (Sat)

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