ホーム > 詩人の部屋 > Rayの部屋 > 僕と・・・

Rayの部屋


[74] 僕と・・・
詩人:Ray [投票][編集]

一人の少女が居た。


川べりで きらきら光る水面を見つめながら

小さくうずくまっていた


その少女は

泣いているようだった



僕は まさかと思いながら
その少女に近寄った



隣に座り 僕も
じっと水面を見つめた。


隣の少女は 呟いた


『愛ってなんだかよくわからないけど
でも私 ただ、寂しい』


僕は『僕もだ。』と言った

少女はやっぱり泣いていた。



『会いたいとか幸せにしたいとか、一緒に居たら楽しいとか
そういう気持ちだけじゃダメなのかな。』

『離れたら 寂しくて
私は強いはずなのに
寂しくて寂しくて
私じゃないみたいだった。』


そう あいつは僕に言ったんだ。



『それが、愛…?』


僕が言うと


少女は顔を上げて

泣き腫らした瞳で

僕を見た。



『寂しかった。寂しかったよ。あんたが居ないと、私無理。』


少女を抱き締め

僕は言った。



『きっと僕は お前を
愛してる。
きっとお前も 僕を愛してる。』



あいつと僕は
確かに繋がっていた


どんなに遠く離れていても

僕らの心は ずっと近くにあった



繋がることが難しいのが愛。

寂しくてやりきれないのが愛。


気付けば

僕らはずっとずっと
愛し合っていたんだね。

幸せに生きるために
一緒にいたんだね。


ずっと笑いながら
ときに涙を流しながら



僕と、あいつ


また二人で

歩き出した。





2004/09/26 (Sun)

前頁] [Rayの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -