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くだらないと、鼻で笑い飛ばしてくれよ頼むから。
もうどうしようもないのに痛いんだ。
あんなとってつけたような優しさに縋りたいわけじゃない。
それぐらいなら、莫迦だと嘲笑ってくれよ。
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ただやさしくなりたいだけなのに、みんなで幸せになりたいだけなのに、どうしてこんなにも難しい。
どうして彼らはあんなにも純粋に世界のやさしさを信じられるのだろう。
どうしてああまで世界に対して自意識過剰でいられるというのか。
どうして自己完結した世界を他人に晒せるのだろうか。
だけどそれでもすべてを守りたいよ。
みんなで幸せに笑えるように強く賢くなりたいんだ。
弱い、弱い。
強くなりたい。すべてを抱えられるほど。
すべてを幸せにできるほど。
だって傷ついた彼らを見たくはないではないか!
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つまらなくてくだらなくてでも手放すのは怖い日々がある。
手放す勇気も、逃げ切る勇気もない。
たとえば、嘘を吐けるようになることが大人になるということだというのなら。たとえば、盲目的なまでの愚直さだとか自由だとかが若さの特権だというのなら。
それならおれたちは馬鹿らしい若い自由は上手な嘘という等価と交換して生きていくのだ。
だっておれは上手に自分達を、世界を欺ける嘘が欲しい。
たとえば、昔の偉い大人が言うんだ。自分を愛せだとか他人を愛せだとか本音だとか全てが報われるような美しい愚直な話を。
嗚呼!馬鹿馬鹿しい!
馬鹿馬鹿しいと思うことが、もう既に退屈だというのに。
それを他人に告げることが更に退屈で馬鹿らしくて、なのに虚像を自慢するかのようにおれは馬鹿馬鹿しい嘘が吐けない。真実と事実の区別さえつかないのに一体何が正解だというのだろう。
背伸びをしたいのに常識と良識が全力でブレーキをかけている。青々しい自尊心が抉れていくのに自分にやさしい上手な嘘を吐いて誤魔化すこともできなくて!
嗚呼!
やさしいやさしい嘘が欲しいんだ。
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久しぶりの休日。
無意識にセットしていたた携帯のアラームを手探りで止めて、いつの間にか足元で丸くなっている猫ともう一眠り。
結局昼も近くなってから起き出した。
朝食じゃなくてブランチだな、今日は。
取り敢えず珈琲を淹れてぼんやり。
CDが入れっぱなしになっていたコンポの再生ボタンを押す。
穏やかな気怠いジャズがゆったりと流れる。そういや、最後に聴いたのはこの曲だった。
柄にもなくリッチな気分。猫と戯れながら珈琲をもう一杯。
親戚から大量に送られてきた林檎。
ググったレシピでパウンドケーキ。おお、美味しそう。
ぺろりつまみ食い、我ながら上出来。
ソファーでうたた寝。
やばいもう夕方だ。
ちょっぴり贅沢な休日。
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特別、強いわけじゃないけど
特別、弱いわけじゃない。
ひとりきりで生きられるほど、強くはないけど、
幾万の支えがなければ歩けないほど弱くはない。
特別速く、走れはしない。
だけど、特別遅いわけじゃない。
欲しいものはたくさんあって。
全く手に入らないわけじゃななくて。
少しずつ、少しずつ、苛立つほどに少しずつ、手に収まる。
人より多くを持っているとかは、ない。
でも人より少ないかと訊かれれば、そうでもない。
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欲しくて欲しくて堪らないんだ。
全部。全て。みんな。
欲しくて欲しくて堪らない。
自分でも驚くくらいに貪欲に求めてる。
もっと
もっと
もっと
もっと
もっと
もっと
欲しい
欲しい
欲しい
欲しい
欲しい
欲しい
欲しい
欲しい
熱く苦く重く鬱陶しく
どろりとした感情が
暴れ全てを渇望し呻き
のたうちまわる。理性も感情もモラルも本能をも押さえ込み俺を支配し
灼き尽くす。灼かれて
爛れて呑み込まれ、
差し貫かれる。
どうしようもない欲望が時折俺を襲う。
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なあ。
涙の数だけ笑顔になれるって聞いたんだ。
あんた、今もまだ泣いているんだろう?
滴は零さずとも泣いているんだろう?
それと同じだけ、笑えてる?