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灰色の部屋


[91] 心の削りかすを拾い集めて
詩人:灰色 [投票][編集]

逃げるように、町の喫茶店

チェーン店

誰も他人を気にしない、一人ぼっちばかりの店

たいして美味しくはない珈琲

やめられない煙草

呼吸を忘れるたびに火をつける

イヤホン

音楽で世界を閉ざす

目を瞑って

忘れられない何か、忘れてしまいたい些細な何かが頭の中で反響する

息ができない

眠い

こわい

「落ち着きなよ、大丈夫」
小声で言い聞かす。

誰も私を見ていない、誰も私のことを知らない小さなチェーンのコーヒーショップで涙をこらえて、息をして、

そうやって、削れた心の削りかすを拾い集めて生きている。

2019/03/28 (Thu)

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