「いいやつだね」って言われたいわけじゃない。「いい子だね」って頭を撫でてほしい。「やさしい」とか「いい子」とか、それだけで許されていたあの頃が恋しい。かつて生きていた穏やかで優しかったあの日々への憧れを私はまだ捨てられずにいる。
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